物心つく前から目立ちたがり屋な自覚はあった。
しかしそれは誰かに見てほしい、褒められたいという気持ちの
裏返しだったのだと思う。
いささか多動症気味の目立ちたがり屋な気質を両親は危ういと思ったのか
褒めてもらうことはあまり多くはなかったと記憶している。
それでも当時幼稚園に通っていた頃は明るいグループの中心に居て、
おませさんだが恋人のような子も居てのびのびと過ごしていた。
ところが、小学校に上がったところで状況は一変する。
自分よりも身長が高く、身体能力も逆立ちしても勝てない同級生が現れた。
幼稚園での恋人のような子も同じ学校だったのだが
その子がその同級生を好きになるのに時間は掛からなかった。
(勉強の成績は勝っていたのだが、そんなものは見向きもされず…)
思えばこの頃からだろうか。
他人への、自分自身への劣等感を明確に感じ始めたのは。
その同級生は意地悪い性格をしていたものの瞬く間にクラスの中心人物となった。
仲は良かったが、その意地悪い性格からたまに
いじめもどきみたいなものを受けたりもした。
中学校に上がり、クラスが増えても状況はほぼ同じだった。
忘れもしないのが中学2年生の夏。
その同級生から
「〇〇〇(私が当時片思いしていた子)と付き合っているんだけど本命じゃない。
本命の△△△と付き合えそうでどうしようか困ってるんだ。」
と笑いながら相談された時は、マンガやドラマの演出のように
木々が風にざわめく音も、茹だるような鬱陶しい暑さも、頬を伝う汗も
一瞬、何もかもが感じられなくなったのを覚えている。
物心ついた頃にあまり褒められなかったこと、
小学生〜中学生時代にかけて敵わないと思った同級生が
いつもすぐ側にいたこと、
これが今でもなお抱える劣等感の根源だと考えている。
幼少期からこびりついた自信の無さ、劣等感は中々落とせるものではなく、
きっと一生向き合っていかねばなるまい。
大人になった今でも、向き合い方を模索する毎日を過ごしている。